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[コメント] エイリアン2(1986/米)

続編の失敗例

この作品、前作と全然違う面白さを目指したから成功したってのが定説ですが、俺の意見はその全く逆。いや、逆の意見というより逆の取り方。

前作は一匹のエイリアンをとことん強く、怖く見せることで成功した。同じ事やってもかなわないから今度は数で勝負ってのはわからんでもない。それでも前作であそこまで恐怖を掻き立てられ、「畏怖」すら感じていた魅力的な存在が、どんどん使い捨ての雑魚キャラの如く殺されていく様を見て、正直悲しくなった。エイリアンが弱くても良いと思うなら続編なんて観ない。

この作品は当時スクリーンで観ればそこそこ面白いかもしれない。その辺のアホアクションよりよっぽどマシかもしれない。だからこそ逆に「なぜエイリアンでなくちゃいけないの?」って思ってしまう。確かに前作をなぞっただけの凡百の続編はつまらんかもしれん。それでも人は続編を観る。それは前作の面白さを引き続き味わいたいという欲求に勝てないから。後で「前作の方がよかった」って言うのはある程度は計算の上なのだ。それが続編というものだ。はじめから前作と対等に勝負しようってのが間違っている。

この映画がやったことは、前作であれだけ周到に築き上げたエイリアンの強さ、怖さ、魅力を全て台無しにし、『エイリアン』が好きな人を逆撫でしただけだ。

この作品が続編でなく、同じデザインのエイリアンが登場しなければ俺の評価は180度違っていただろう。

(評価:★2)

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このコメントを気に入った人達 (9 人)pom curuze[*] カルヤ[*] ねこすけ[*] らーふる当番[*] Ribot[*] こしょく[*] ロボトミー ina[*] ボイス母[*]

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