[コメント] ファーストフード・ネイション(2006/英=米)
いろいろと問題はあるが、ひとつはっきり云えるのは、音楽の使い方に関してはもっとストイックになったほうがよいということ。たとえば牛解体シーンは明らかに現実音のみか無音で処理するべきだったろう。だが、やたら豪華な俳優陣はやはりそれなりに楽しませてくれる。アヴリル・ラヴィーンとかいう人にしても悪くない。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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各エピソードが収斂に向かわないというのはリンクレイターなりのバランス感覚によるものなのだろうし、予想通りのものでもあったが、それにしてはなかなか上手いまとめ方がなされている。要するに「生産」は繰り返される(=「システム」は維持される)ということ。アシュレイ・ジョンソンらが牛の「解放」を試みようと、カタリーナ・サンディノ・モレノが牛の解体を前に涙を流そうと、汚染された食肉は変わらず生産されつづけるし、不法移民労働者もまた生産されつづける。そして彼らに米国の象徴としての汚染肉バーガーが手渡されて映画は幕を閉じる。「システム」の輪郭を描き出す方法論としてはまずくないが、肝心の映画ならではの面白さの獲得には至っていない。
「工場」はやっぱり映画の画面として面白いなあ。なんてことは思うが。
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