[コメント] 崖の上のポニョ(2008/日)
映画を見終った人むけのレビューです。
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私は台風がそれほど来ない地域で育ったためか、子供の頃、天気予報で「台風が上陸し、この辺りを直撃する」と聞くと、友達となぜか無性にワクワクしていました(実際に台風被害に遭われた方には申し訳ありません)。ちょうどちびまる子ちゃんが呑気に洪水を見物しに行ったように。
きっとものすごく強い風が吹いて、雨もたくさん降って、洪水が起きるのだろうと想像していましたが、一夜明けると、台風は予想されたコースを逸れ、私の住む町には強めの雨が降った程度、台風一過の青空を見ながら、ちょっと残念な気分になったりしたことも。
この作品を観て、久しぶりに台風前夜のような高揚感を覚えました。海中の情景や大波のうねる様子、そして町も島も水没してしまった不思議な風景がとにかく美しく、迫力がある。それだけで、とても心地よい気持ちになれました。
最初は、あんなに波が高くなったり、町や島が丸ごと水没したりするはずないじゃん、と大人の見方をしていましたが(笑)、宗助を子供の頃の自分に重ね合わせるうちに、意外にもこれらの描写は子供の目から観た情景であり、結構リアリティがあるように思えてきて、妙に納得できました。
この作品、皆さんが指摘されているように、話の辻褄は確かに合っていませんし、いくらでもつっこみどころがあると思います。ポニョやその両親も得体が知れず、よく考えると不気味だし、宗助の両親にしてもあり得なそうな設定でしょう。
しかし、これだけ高揚感を感じさせてくれた不思議な海の情景を前に、そんなことはどうでもよくなってしまった、そんな不思議な魅力のある作品だと思います。 (私はどちらかというと理屈っぽく映画を観る方かもしれませんが(^_^;)、たまには、こういう評価でもいいかなと。)
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