[コメント] ダークナイト(2008/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
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アーロン・エッカート。この人、こんなに上手かったっけ?。
最初に彼を見たのは『抱擁』。グウィネス主演の、文学的な謎解きの映画で、映画と同様に物静かな学生の役だった。実は、それ以前に『ベティ・サイズモア』と『エリン・ブロコビッチ』を見ていたはずなんだが(三作ともオスカー女優との競演なんて、おいしいはずなんだけど)、実は全然記憶に残っていない。
次は『ザ・コア』。はからずも、またオスカー女優との競演。しかし、映画はトホホなお話。役もこの男が演じていなくっても何の問題も無い。そして『サスペクト・ゼロ』は、演技力の足りない所をはっきり露呈した映画だった気がする。
ちょっと気にかかっていたのは『ペイチェック』。悪役です。けっこうはまっていたと思う。もう一本、『ブラック・ダリア』。この映画の彼が今までで一番すきかも。(『幸せのレシピ』(またもやオスカー女優との競演)も嫌いじゃないけど、この映画は元のイタリア映画版のほうが好きだったから)。
蛇足:またまたオスカー女優のブランシェットと競演した『ミッシング』では、それまでの実績に関係なく、ものすごい扱いになっていて、超びっくり。
あらためて振り返ってみると、単なる善人であるときより、一癖二癖ある役のほうが、実力を発揮している気がする。評価の高かったらしい『サンキュー・スモーキング』を見逃してしまったから残念なんだが。
・・・と、またしても長々と俳優問答(『ビギンス』のときは、ベールについて延々と書いてます)を続けてしまったが、実は、前評判が高かったヒースではなく、ノーマークだったエッカートに、私はKOされてしまいました。やるじゃん、この男!
で、ストーリーはジョーカーとデント検事の「二つの大きな太陽」を中心に転がってゆくので、今回はバットマンはかなりワリを食ってしまった。お気に入りのベールなんだけど、これだけの高評価の中、やや肩身が狭いかも。だが、それでもバットマンは私たちの心にちゃんと存在を残していてくれる。「月」は光っている部分だけでなく、影の中にもまぎれも無く存在している。そんな我らの『ダークナイト』が、やはり紛れも無くこの映画の主役です。
ベテランの、ケイン、フリーマン、オールドマンはさすがのいぶし銀。前回からの唯一のキャスト変更のマギー・ギレンホールだが、この人は「身の丈」の似合う人。素敵な演技をしていたと思うが、この役のイメージではないかも。
ラスト近くの「フェリーの選択」。nakamyuraさんのコメントを読んで泣きそうになった事を告白します。
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