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[コメント] イントゥ・ザ・ワイルド(2007/米)

ショーン・ペンの文法では収まり切らないニューシネマ的自由さがうかがえる演出。時にそれは凝り過ぎの感をも抱いてしまうが、そんな欠点をも上回る力がこのフィルムにはみなぎっている。
ナム太郎

熱演のエミール・ハーシュを盛り立てた芸達者な脇役陣の名演の数々に酔った。特に彼に自分の元を去っていった息子の姿を重ねて苦しむキャサリン・キーナーや、わずかな出演時間ながら彼を孫のように可愛がるハル・ホルブルックの姿は非常に深くまた感動的に心に迫るものがあった。

また、エディー・ヴェダーの歌声もパール・ジャムにおける彼の歌声とはまた違う趣きを感じさせるものがあり、荒野を越えて私の心にも強く響いた。

さらに原作では主人公の唯一の理解者とはされながらも決して中心的な登場人物とは言えなかった彼の妹が、映画では全体の語り部として非常に重要な役割を持たされており素晴らしい効果をあげていることにも驚いた。そのあたりのショーン・ペンの脚色家としての卓越した仕事ぶりも忘れずに書き留めておきたいと思う。

(評価:★4)

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