[コメント] その木戸を通って(1993/日)
ハイビジョンとかもう全然分かってなくて、新境地とかも本当分かってないんだけど、とりあえず市川崑のこだわりってものがものすごく見て取れる。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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この作品、この監督に限っての事ではないだろうけど、本当周りのスタッフの方たちの苦労は計り知れないものがあると思います。
映像で言うと、絞りを開放してるようなあのピントの浅さとかすごく面白い。浅すぎて、男5人が歩いているシーンなんか、1歩歩くだけでピントがずれたりしてるんですよね。だから雨を撮っているシーンなんてのもひどく面白い映像になっている。ちょっとやりすぎの気もしないでもないですが、夢うつつ感を出すにはもってこいの表現法だったと思います。
また太陽光を完全遮断したというライティングなんて、すごすぎです。特にオープニング。
ストーリーに関しては、謎めき具合がラストでブレた感じがしました。謎はもう謎のまんまでも私的にはなんら問題なかったし、ラストはちょっと要らなかったかなと思いました。
あと全然関係ないし、全くの憶測でしかありませんが、彼が『竹取物語』を撮っていなかったら、この作品も撮ってなかったんじゃないかと思ったりもしました。なんとなくね、なんとなく。
それにしても中井貴一はちょっと演技がコテコテすぎる。幅広い年代を演じ分けていたのは素晴らしかったですけど、やりすぎな気もするんですよね。それでもやっぱり崑ちゃんファミリー含め、素晴らしい俳優陣に囲まれて、信頼する監督の元、のびのびと演技する彼がなんだかとても羨ましく思えました。
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