[コメント] ダイアリー・オブ・ザ・デッド(2007/米)
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今までのゾンビ作品でもメディアの混乱・情報供給の停止は繰り返し描かれてきた。今回はそこに初めてネット環境及びそこからの情報発信を絡め、我々の今生きる現代と平行線上にゾンビを出現させた。これは意外にも「ゾンビ」以来の試みだ。「死霊のえじき」「ランド・オブ・ザ・デッド」では共に近未来が舞台であった。映画手法として「クローバー〜」や「REC]の後塵をはいして(日本での公開順って意味で)はいるものの、この監督の切り口としては非常に新鮮味があった。つーかちょっと期待してた。ロメロは年老いて尚どこまで現代を風刺してくれるのかと。
その結果は、、、深みはイマイチ感じなかったものの、各報道メディアの民衆パニックに対する抑止力、その脆さ。ブログやYoutube等のパーソナルな情報の有効性、その混沌。ひたすらゾンビとの攻防を表面上は見せておきながら、ラストに遊び半分でゾンビ狩りする人たちを登場させ、「我々人間に生き残る資格はないのかも」ぐらいの強烈なニュアンスを残して幕引き。これまで「ゾンビ」以降僅かながらも人類存続の道を示してきたロメロがついに決別宣言か!?あまりに救いの無い結末だ。同じく救いの無いラストの「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」への回帰的作品とも。次回作もあるらしいが、一体次は何を語るというのだろうか。もうなんでもいいからやっちゃってください。ただ、この撮影手法はこれでおしまいってことで。やはり主観映像は切迫感には一役買っても映像表現としての広がりに限界も感じるので。
あと、ゾンビの容姿は流石ロメロ印で、豊富なハッスルブラッドによるゾンビ損壊シーンもやたら完成度が高い。単純にやられたやったのサバイバルホラーもしくはゾンビングロードムービーとしてもまずまず楽しめる。ただし、聾唖の気のいいお爺ちゃんが早くやられちゃったのと、「なんで森へ逃げるのかネーちゃんよ?」と思ったら、なるほど序盤のミイラ男のホラー映画撮影にダブらせたかったわけねと。でオッパイポロリもねと。もうほんとヤラシイんだからロメロお爺ちゃん! でもこのシーンはちょっと狙いすぎで個人的にはいらなかったな。
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