何に旨みを見出していいのかが分からない可もなく不可もない大人しい映画という印象だけが残るもったいない作品。言い換えるならワサビ抜きの寿司みたいなもの。映画における人物造形の良い意味での「矛盾」を全く感じさせない演出の浅さで２大スターを消化してしまった。デニス・ホッパーまで出てるというのに。感情移入も共感もできないままエンディング。記憶に残っているのはベン・キングズレーのスキンヘッドにしたたるシャワーシーンぐらい。ちょっとシーワールドっぽい雰囲気。ペネロペの裸身も「女」を謳うほどには描かれず、ことさらに悔やまれる。女流監督が物足りないわけではないが、なんだかお利口さん映画の範疇で、期待を超えないそのへんの作品である。