[コメント] グラン・トリノ(2008/米)
イーストウッドのための映画。長生きしてくれよ。86/100
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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最愛の妻を失い、息子家族とは溝。周りはアジア人だらけでギャングまでいる。唯一の友は愛犬とタバコとグラン・トリノ…。この時点で渋いしテーマもしっかりしており、芯のある映画となっている。のだが、いかんせん物語の運び方が腑に落ちない部分が多く消化不良になってしまったのは否めない。
まず、ギャングがあそこまでタオに執着する意味がよく分からない。ギャングも5人くらいしか居ないので組織感ゼロ。ウォルトへの報復なのにタオの家に銃弾ブチ込むギャング、しかも誰も通報しない。
イーストウッド、こんなに下手だったかと怖くなってしまうほどだがウォルトというキャラがストーリーの弱さをしっかりカバーしてるのに注目したい。正直、ストーリーは二の次だ。これは老害であるウォルトの贖罪であり、死を目前にした男の一大決意の話だ。自分の人生をメチャクチャにした戦争を恨み、引き起こした朝鮮人(代理戦争だが)を恨み、それを許して清算する、心の整理の話でもある。
ウォルトのセリフもナイスなのがいっぱいあってウォルトというよりイーストウッドのナルシズム全開なのも楽しい。
「怒らせたのが間違いという相手がいる。例えばオレだ」 「俺は世界で一番の女性と結婚した」 「頼むからノドをかっ切らんでくれよ」 「怒ってるんだろ?家の中で吸うのは始めてだ。許してくれ」 (苗字で呼ばれて)「ウォルトでいい」
カッコいいジジイだ。長生きしてくれよ。
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