[コメント] ツィゴイネルワイゼン(1980/日)
いかにも日本的なのっぺりとした怪奇さがケタ違いの切れ味の中で渦巻いている孤高のホラー。
その場面ごとの怪奇は日本固有ののっぺりさに違いないが、演出の無二の個性で、全体的にはのっぺりなトーンではなく、むしろ鋭さすら感じさせる映画。
人体の切断面のような、ドロっとしたものを鋭利なもので切り取ったあとのような、そんな質感の世界が無限に広がる。
また前半はその怪奇さが特に土着っぽくて、日本のどこかにいけば奇妙な空間がそのまま存在していそうな気がした。ストーリーもあってないようなこれは和製怪奇ドキュメントじゃないかと。日本って不気味な国だなぁ、と日本人の自分でも思った。
こんな一見日常と同じに思えるがどこか歯車のずれた世界、地獄ってこういうもんじゃないだろうか、と思った。
ちょっと長いが。
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