[コメント] サンシャイン・クリーニング(2008/米)
生活観の漂うアメリカ映画って、はためずらしい。年は取っていても相変わらず行商人の父親、ウェイトレスさえ勤まらないすぐ切れ女の妹、腕白を通り越して小学生の身分で退校させられる息子、そして過去の栄光に浸っていながらも不倫続行中のメイドの主人公。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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良くこんなに負け犬ばかりそろえたかなあ、という感じ。ちょっと作り過ぎている感もなきにしもあらず。そして心機一転、挑戦するは妹と共同作業の死体現場処理清掃業。映画的には面白いものの、そこからは死体を通じて初めて知る人間観が秀逸だった『おくりびと』とは対比できない深さの違いはある。
でも何をさせても駄目な妹役のエミリー・ブラントが濃厚な魅力で僕は俄然張り切ってしまう。姉のエイミー・アダムスもいいが、美人なので負け犬同士の親近感が生まれてこない。(勿論僕も十分負け犬です。)
この映画の一番弱い部分は死体と関わり合うところからのイメージの発展が希薄だというところか、、。妹が母親の死に拘り、全く関係ない他者へと近づいていく辺りは面白かったが、それもただ一方的に断ち切られてしまい、完結しない。
着想はかなりいいのだが、脚本が十分醸成されていないというか、持ち出しのアイデアに終始し、人間の深みにまで入っていかなかったのはちょっと残念だ。俳優の布陣といい、『リトル・ミス・サンシャイン』の柳の下のどじょうを意識した映画なのだろうけれど、重心をもっと低くして人間を描いて欲しいと思うのは僕だけだろうか、、。。
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