[コメント] 3時10分、決断のとき(2007/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
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ラッセル・クロウがあまりにもカッコ良すぎて、最後は気持ちが萎えてしまった、というのが正直な感想ですね。
賞金稼ぎ(ラッセル・クロウ)と牧場と家族を守る男(クリスチャン・ベイル)という対比的なお話なのですが、西部劇独特の荒涼とした風景や、ガンマンの何でもありという姿勢などは十分映画として表現できているように見えますが、残念なことに主人公の気持ちの変化が私には理解できません。
捕らえられた賞金稼ぎの巧みな凄さは『ハンニバル』を想像させました。言葉巧みに相手を油断させ、表情に出さない、そして相手の隙を狙って容赦しない。こういう存在として賞金稼ぎが中心になっている映画です。
この映画は家族を守るために自ら賞金稼ぎを護送する難役を買って出て、残された子供達に父親としての存在を示しつつ命を落とす男(善)と、前述のように『ハンニバル』的な存在(悪)とが、あるきっかけで理解しあうというストーリーになっています。
しかし、いくら西部劇の世界とはいえ、このラストの心理変化はあまりにも強引です。
賞金稼ぎは聖書を読み絵も上手い。そんな知性的な側面をチラチラ見せておいて、ラストでこの変化となるのですが、そんなのありかよ、というのが本音ですね。
最近端役で時々顔を出すピーター・フォンダが全く意味もなく死んでゆくのも彼の若き日を知り、彼の血筋を知る者としてはとても辛いものがありました。
せっかく大作に久々出演するんですから、もっと存在感のある役をあてがってあがればいいのになー、などと思いながら拝見しました。
まぁ、普通の映画ですね。
感動はありません。
2010/01/02(自宅)
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