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[コメント] クヒオ大佐(2009/日)

実際のクヒオ氏の事件を、当時とても興味深く捉えていたし、それが映像化されると知って楽しみにしていたのだが、映像と現実には決定的な違いがあった。
青山実花

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







実際のクヒオ事件を知っている方、さらには事件に興味を覚えた方なら理解していただけると思うのだが、現実のクヒオと映像のクヒオには大きな違いがある。

当時、新聞に載ったクヒオ氏のルックスには、失礼ながら驚いたものだ。どこからどう見ても典型的日本人のルックス、年齢的にもお爺さんといってよい風情。そんな男がサイズも合わなそうな米軍の軍服に身を包んで、直立しているその写真はなんともいえず可笑しかったものだ。だからこそ、被害に遭った女性たちは、何故こんな男に騙されるのか世間は不思議な気持ちでこの事件を眺めていたのだ。

で、この映画はどうだ。実際のクヒオと比較して、堺雅人は綺麗すぎやしないか。何も彼はアメリカ人のフリなんかしなくたって、いくらでも女を騙せそうだ。実際のクヒオが醸し出す、可笑しみと、さらにそこに漂う「情けなさ」というか「哀愁」というか、そういった物が滲み出ていない。これはもう、誰のせいというわけではないのだが、事件を知らない方がこの映画を観ても、本当の意味での可笑しさは伝わらないような気する。

堺雅人新井浩文の会話は笑えたし、描かれていた、あのクヒオ氏の生い立ちが事実であるとするなら、それを知る事ができたのは収穫であった。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)IN4MATION[*] りかちゅ[*]

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