コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] マイケル・ジャクソン THIS IS IT(2009/米)

マイコー。天国で幸せでいてください。
きわ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







「僕に本気になるまで歌わせないでよ〜。 だめだよ〜。ノーノー〜。」

相手役の女性ボーカリストの熱唱に吊られて熱唱してしまった、リハーサルでのマイコーの言葉。ケニー・オルテガ監督を含め、ただの観客と化し、マイコーをあおるダンサーとスタッフたちをたしなめるマイコー。ここは普通のアーティストなら「いやまいったな〜。」くらいで、内心ご機嫌なはずだ。でもマイコーは本気で「困るなあ」という雰囲気なのだ。オルテガ監督に「でも君も歌いたかっただろ?いいんだよそういう時は。」となだめられても、「僕はその日(コンサート)までセーブしておかなきゃいけないんだ。」というのだ。 そしてスタッフと円陣を組むマイコー。「お客さんは夢を見たいんだ。夢を見るために来てくれるんだ。それを見せてあげよう。恐れずにやろう。難しいことじゃない。ここに居るみんなは家族だ。愛してる。」

私はこの二つの発言をしたマイコーをみて、この人はどれだけ良識があって、誰よりもプロ意識が高くて、全てにおいて全力で取り組んでいたのか、初めてはっきりと知りました。 マイコーは紛れもなく天才です。常人には考えられないダンスパフォーマンス、歌唱力の高さ、長い手足、無駄のない体、ダンスの映える長い指。そういうものは神様からもらった特別なものだと思いますが、それに加えて、ここまでの意識の高さと努力があったからこそ世界的なスーパースターで、世界のどこへ行っても「マイコー愛してる−!!」と叫ぶ人間がいるんだと思います。世界トップレベルの人はこういう姿勢だから世界トップなんだと思いました。

彼に憧れてバックダンサーになった一流の若手ダンサー達が、そのリズム感も自我も吸い取られたように、流した感じでビリージーンを踊るステージのマイコーをただただ惚けたように見つめる姿が印象的でした。 ケニー監督が「教会だ。」と言ったように、そのパフォーマンスのすばらしさはもう神々しいという気さえしてきます。彼は神様が人間に少しだけ貸してくれた天上のエンターテイナーだったのでしょうか。そういえば彼の名前は大天使と同じ名前だ。神様、もうちょっと猶予がほしかったよ・・

亡くなって、テレビで特番をやって、亡くなる前よりも目にする機会が増えたのは嬉しく悲しいです。興奮した後に必ず切なくなってしまいます。 でもテレビでマイコーが踊るのを見るたび馬鹿みたいに「マイコーーーああいまのめっちゃ格好いいーーああーーー!」と叫ぶのはたぶん今後も変わらないんだと思います。 今日は同じくマイコーファンの兄のために、ライブinブカレストDVDを買いました。(もちろん自分も観たいからですよ、ええ。)

マイコーーーー愛してるーーーーー

(09/11/4 劇場)

(評価:★5)

投票

このコメントを気に入った人達 (2 人)G31[*] chokobo[*]

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。