[コメント] 私は二歳(1962/日)
夏十さんってどんな人だったのだろう、脚本家のことを知りたくなるような内容の脚本だった。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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脚本が良いと言っても、設定にはかなり無理はある。赤ん坊が自分の意見をナレーションしてしまってるわけだから。人格や価値観などというものは、初めから備わっているものではない、作り手も観客も承知している。そこは許容してくれってことなのだろう。
強引な設定を使って、赤ん坊と母親の意見の食い違いを強烈に提示する。かなり面白い。赤ん坊は、自分の顔の筋肉が動くことが嬉しくて動かしているに過ぎないのだが、母親のほうは、我が子が母を見つけて笑顔になったと解釈する。自分がまずあって、都合のいいように解釈している人間たち。愛はあるが、実はとても勝手だ。冷静な視点だと思う。 しかしながら、その勝手な人間たちが、寄り集まって作る家族とは大変貴重なものだ。親・自分・孫と繋がっていくことが大事なのだ。
と、繋げる。かなり強引である。強引には違いないのだけれど、人間性が滲み出ているようで、爽快。和田夏十氏の脚本は、聡明さや一歩進んだ女性のものとして言われることが多いですが、本作を観ていると、キャリアウーマンな人の、大らかさ優しさといった面をむしろ感じた。んで、なんだか驚き、興味がわいた。
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