[コメント] 曲がれ!スプーン(2009/日)
2009.11.24 TOHOシネマズ梅田で鑑賞。 この作品にするか、『なくもんか』のどっちを見るか迷ったのだが、こっちの方が短命に終わりそうなので、ひとまずこちらを選択。結果としてこの作品の方が、早期打ち切りになりそうな雰囲気満点だったので、もしかして私には透視能力があるのではと思ってしまった。
ところで今日は vit で予約したシアター#10。18:10 開演の D-6 に座ってみると、一つ前の C-6 には小太りの先客が座っていた。この小太りの男、私がポップコーンをがさがさ食っていると、いかにも邪魔だと言わんばかりにこちらの様子をうかがってくるのである。不当に騒いでいるならともかく、劇場で売っているポップコーンで文句を言われる筋合いもなく、普通に食い続けた。全く私も含めて映画好きというのは小太りばかりなのか?
〜〜〜
『曲がれ!スプーン』は、あのフジテレビ制作の映画である。フジテレビ制作の映画と言えば、少々面白かったのは『踊る大捜査線 THE MOVIE』くらいで、それも泣かせ節が入って気持ち悪かったのである。そういうわけで、当然期待など全くせず見に行ったのだが、その期待のなさ以上の失望を味わって帰ってくるとは夢にも思わなかった。どうやら私には予知能力は備わっていないらしい。
最初から最後まで、ちょっとでも笑えるシーンが一つもない。びっくりするくらい笑えない。笑わそうとしているのはわかるのに、本当に面白くないから笑えない。監督本広克行の過去作品を見て納得した。彼は『少林少女』の監督なのであった。絵面が香川県っぽいなと思っていたら、『UDON』も監督していたのであった。
後方の観客の中にくすくす笑っている男がいたが、彼はどこで笑っていたのだろうか?人生いろいろ、笑い所もいろいろだ。
物語は超能力バラエティ「あすなろサイキック」のAD長澤まさみが、特ダネをものにしてこいとの命令を受けて地方取材を重ねるうち、香川にある取材先「カフェ・ド・念力」で本物のサイキック集団に出くわしてしまうものの、テレビ局の人間には何が何でも正体を明かしたくない彼らが繰り広げるドタバタをほのぼのと描いたお話である。
最初の劇中テレビ番組「あすなろサイキック」のパートにしても、本物サイキック集団が集結しているたまり場「カフェ・ド・念力」のパートにしても、見事に台詞から生気が抜けているのに驚く。「あすなろサイキック」の司会者を、ふつうに喋らせただけで十分面白いユースケ・サンタマリアが演じているのだが、これが全く面白くない人間になりはてているのである。また、芸達者なはずの平田満が、たま書房の韮沢編集長的人物を演じているのだが、これまた変な方向に力が入っていて、明らかに事前調査不足の雰囲気を漂わせている。特に「カフェ・ド・念力」のパートにおいて中川晴樹が演じる透視能力者の台詞の滑り方がすさまじく、この脚本を書いたヤツと、演出したヤツは、なにか特殊な能力でも備わっているのではないかと思えるほどだ。
長澤まさみほどの素材を得て、怒りを通り越して無感情になってしまうほどの下らない映画を作る事に驚き果てた。
これほどの美人が誰からも顧みられないような人生を送っていることも不思議だし、取材先の誰もが寸分たりとも心を奪われないという時点で、物語の歯車が狂っているというか、設定自体がおかしいことに気付かなければならない。そして、さらに驚くべき事には長澤まさみの露出度ゼロ!手のひらと顔くらいしか露出している部分がないのである。脚なんか最初から最後までタイツに長靴下をはいているのである。これは驚きだ。一体どうしたいのだ。
金輪際フジテレビは映画を作るのはやめた方がいいと思う。ちなみに本作は、糞映画の殿堂入りすら出来ない、映画にすらなれていない代物である。『少林少女』以下である。
ただ、最初から最後まで静かに熱演していた志賀廣太郎だけは評価したいと思う。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (2 人) | [*] [*] |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。