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[コメント] ラブリーボーン(2010/米)

ピーター・ジャクソン、CGオタクだとしか思ってなかったですが
きわ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







ドラマも描けるんですね。主人公のスージーの妹が犯人の家から証拠品を持ち出すシーンは王道のハラハラドキドキでしたし、映画館で後ろの席の興奮した女子大生達に、思いっきり背もたれを蹴られましたよ。そうか。この人は『乙女の祈り』とかを作った人だったんだね。(まだ観てないですが・・)

シアーシャ・ローナンの親しみがあるのに神秘的な少女性がこの映画の核であり、犯人の衝動をあおる引き金として、物語そのものの動きになっている。彼女の透明感や危うさが物語の全てであり、それを上手くストーリーのエンジンにしているのは見事だと思った。

とにかくスージーが犯人に穴の中に誘い込まれる時のシーンの怖さといったらなかった。日々現実に起きる少女の悲しい事件のニュースなどをみると、その状況のことを想像せずにいられない。彼女たちはどんなに怖かっただろう、誘い込まれた自分をどんなに後悔しただろう、犯人はどうやって彼女を殺したんだろう、と。不快だし怖いし悲しいのに、何故か考えずにはいられない。その何度もした想像を、とうとう映像で観てしまった。トウモロコシ畑で少女が男の誘惑に負けてしまった瞬間は、恐くて画面を直視できなかった。男と二人きりで穴の中にいる危険に気づいた時の彼女の表情。あの緊張感を繊細に演技できるのもすごいと思うし、これもまた死ぬほど怖かった場面です。 もう絶対無理だよ、逃げるのは。穴から這い出すなんて不可能。あーもーなんで酷い奴に限って頭が良いんだろう。

それだから彼女がクソやろうを蹴っ飛ばして脱出したのには驚いた。でもここからの展開も見事だった。彼女が犯人のバスルームで叫びながら消えていくシーンは、これまでみたどんなホラー映画よりも恐かった。

その後はCGオタクの趣味爆発って感じでちょっと食傷気味になりましたが、そのCGならではの技でクソやろうをボキボキにしてくれたからまあいい。(この話の流れで「無事に犯人は逮捕されましたチャンチャンには絶対ならないだろうと思ったから、あれでぎりぎりの折り合いをつけた) マーク・ウォールバーグは初めていい役者さんだと思ったし、レイチェル・ワイズは相変わらずきれいだったし、なんか評判の悪いスーザン・サランドンは私にもこんなおばあちゃん欲しいなって思ったし(14歳の孫ができてもオシャレも化粧もばっちりでタバコぷかぷかふかしながら「あの子ともうキスしたの?」みたいなこと話す豪快なおばあちゃんになれるならなってみたい)、お姉ちゃんがきれいすぎて「ほんとに姉妹か?」って思わずにはいられない妹役の子も後半の活躍がかっこよかったし。太めだけど運動神経いいってとこがツボ。

ピーター・ジャクソンかあ。ふうん。。。(10’2’2劇場)

(評価:★4)

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