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[コメント] ゴールデンスランバー(2010/日)

逃亡者とそれに関わる人々の思いの交錯を描きたいなら、映画よりいろんな視点を盛り込める連続テレビドラマのほうがいい。
おーい粗茶

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







昔の友人などの交流場面が原作では大事なテーマなのだろうが、彼らは主人公を絶対助けるだろうという存在であり、その彼らが場面に占める割合が多いことが、国家権力から死ぬ気で逃げている逃亡者の絶望感をふやかしてしまう。あまあまな印象になってしまう。

映画は短い。無実の罪での逃走劇をやるなら、権力側の圧倒的磐石な体勢、真実を知らない(あるいは無関心な)一般市民との隔絶という2大プレッシャーを背後に流し続け、必死の逃亡者側の情報のとれない焦燥感や恐怖感といった心情、徒手空拳な行動をひたすら追っかけるという構造のほうがいいと思った。国家権力から無実の罪を被された逃亡者の心情っていう「絶望感」と「孤独感」、これが欠けていてサスペンスの面白みがなかった。

理が通らないところに情が救いの手を差し伸べる。リチャード・キンブルの定番なわけだけど、ああいう迂回から生まれるドラマの面白さは映画じゃ無理。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)ぽんしゅう[*]

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