[コメント] 釣りバカ日誌20 ファイナル(2009/日)
若くして命を落とした親友とその家族への積年の思い。追い立てるような娘達の悪意なき老後と遺産話し。親の知らぬ間に新生活を営み始める娘。あばら家と化した棲家を去る初老の酪農家夫婦。随所に無常感漂う、いつの間にか、あるいはいつか必ず訪れる終焉の語である。
そして、惜別の思いは、いつしか老俳優三國連太郎への送別の謝意へと代わる。
送別の祝祭劇となるはずの、クライマックスのミュージカル部の完成度の低さが残念だ。なにやら軽薄さを、爽快さと勘違いしたかのような感がある。このパートは「釣りバカ」という「軽さ」の枠を突き抜けた完成度であって欲しかった。それをもってしても、日本映画界に残した三國の功績に拮抗し得る謝意の域まで達したかどうか。
4点という評価は、本作品ではなく、20年間にわたるシリーズの三國の労に捧げる。それでは謝意として、少なすぎると叱責さることはあっても、66歳から86歳へと歳月をかさね、もはや釣り竿を振りかざすこともままならなくなった「釣りバカスーさん」を見る者の気持として、ご了承いただけるだろう。
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