[コメント] (500)日のサマー(2009/米)
互いに理解し合おうとする情熱こそが恋愛の根本だとすれば、女に端からその気はなく、これは冒頭ことわられるように確かに恋愛話などではなく、ただの夢見男の一方的な恋愛挑戦話なのだが、その「500日のトム」の苦闘の結果に、男としての魅力も面白みも感じない。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
劇中でイメージされる40年前の映画『卒業』の主人公ベンジャミン(ダスティン・ホフマン)は、本人も意識せぬうちに漠然とした情勢や世代の外圧に翻弄されていた。それが、あの時代の男の生きにくさの象徴であり、彼の不安と抵抗の共存感覚に共感が生まれた。
本作のトム(ジョセフ・ゴードン・レヴィット)を支配しているのは、良かれ悪しかれ「自分は」「自分が」という自意識だけで、ついに「自分で」行き詰ったあげくひたすら自嘲し「自分の」内へ内へと落ち込み続けるだけである。その結果、映画で語られるべき「男の何か」が見えたわけではなく、ただ「季節」が秋へと移ろっただけだ。まあ、これが「今どきの男の恋愛なのだ」と言われればそうなのかもしれないが。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (1 人) | [*] |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。