[コメント] 黒帯 KURO−OBI(2006/日)
映画としてはどうにもしょぼいのだが、松涛館流空手師範・中達也の佇まいは本物。実際には公に見ることがほぼ叶わぬ「伝統派空手の実戦」をまざまざと見せてくれる。
香港にカンフー映画、タイにムエタイ映画、メキシコにルチャ映画があるが如く、日本の武道映画を作ろうとする志は立派だ。『黒帯』のように、本物を見せようとする柔術、柔道、合気、剣術、相撲などの映画がもっとあっていい筈だ。
『黒帯』には、カタキ役・悪役としての異種武術は登場しない。安易な悪役を外に求めずに物語を作るのは困難な挑戦だったろうと思う。そこに作り手の志を感じたものの、そのせいで結局なんだったのかよく判らない娘を売らされる一家や適当な軍部の描写が生まれたのかもしれない。武道も武道映画も難しい。
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