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[コメント] インビクタス 負けざる者たち(2009/米)

イーストウッド爺がなんのてらいも無く、当地で開かれたラグビーW杯を描いてしまった。政治なのかスポーツなのか。描いてはみせるのだが、あくまでもさわりにすぎない。それは早朝のシーンの上手さに表れる。
chilidog

**ネタバレ注意**
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それは早朝のの美女軍団にエスコートされたシーンの上手さに表れる。彼ら(我々)は、何の抵抗も無く、いやむし鱸その歓待に喜んでその船に乗る。そして、南アフリカのマンデラの歴史にふれる。けれどそれは単に小さな牢でしかなく、砂埃舞う作業場でしかない。イーストウッドはピナールのそして我々の想像に委ねる。立ち止まって考えるか、ちょっと見てまた歩き出すか。我々はその事実を知らされるが、それは事実の奥底の何分の1だろうか?

描かれる過去はあくまでも「過去なのだ」といわんばかりに、物語はクライマックスへ泣き所をまき散らしながら突き進む。そこには何のてらいも無い。しかしイーストウッドには品があり、その一つ一つは非常に抑えられた表現で語られる。へたなファールを犯し試合を止めるようなミスは犯さない。そして表現者たる俳優陣への信頼感がそこかしこに見られ、それが物語の団結へとリンクしているようにみえた。

う〜ん、デスマス調の書きにくい作品ですね。つい熱くなっちゃいました。ラグビーよりもサッカーよりもアメリカンフットボールが人々の心を掴む彼の地で、この作品はオスカーを掴むことができるのでしょうか?いや〜サッカーW杯南アフリカ大会の成功共々ともども気になります。

(評価:★5)

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