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[コメント] 長い灰色の線(1954/米)

フォードにとっては『太陽は光輝く』や『捜索者』に挟まれるかたちで本作があるわけで、充実期の作品と云えるのだが、なんとも力を抜いた、『静かなる男』のあの幸福をもう一度、といった作品になっている。
ゑぎ

 ウェスト・ポイントの屋外風景や、パワーとオハラが住む住居のショットなんかもフォードらしい美しさだが、しかし、何と云っても屋内のフルショットが多く、見ごたえがある。バストショットからフルショットへのカッティング・イン・アクションも実に見事。人物のほんの些細な所作でもってカットを繋ぐ。そして、屋内に置いたカメラからドアの向こうの屋外を映したカットもあり、本作が『捜索者』よりも前の作品であることを考えると、この画作りがフォードの刻印であることを改めて認識する。

 正直云って全体に緩すぎる作りではあるのだが、それでもラスト20分は泣きっぱなしになってしまうのだ。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)けにろん[*]

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