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[コメント] 渇き(2009/韓国)

中2的トンデモ吸血鬼設定にガチ演出でトゥルーなロマンスが宿る。童貞の夢たっぷりの人外萌え映画。
林田乃丞

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 なんだか自分の青い部分、というか幼い部分に触れられたようで、すっかりホワホワしてしまった。いま、世界でいちばん面白い映画を撮る監督は『渇き』のパク・チャヌクなんじゃないかと、けっこう本気で思っている。

 この映画ははっきりと2部構成に分かれていて、1部で人に恋をしてしまった人外の悲劇と末路を描く。正直、ここまででもきゅんきゅんしまくりだった。

「オレがバンパイアだから嫌いになったのか!?」……うーん、言ってみたい。一度でいいから言ってみたい。

「ここから飛べる?」「飛べるさ」ぼくも飛んで見せたい。

 シンデレラを抱いてビルの屋上から屋上に飛び移りたい。

 つい甘噛みしたりしたい。

 殺してしまった彼女に、自分の手首をかき切って穢れた血を飲ませて「蘇れ!」って叫びたい。このシーンの、手をグーパーグーパーして自分の血を押し出す演出なんて、最高にロマンチックだった。

 そうして彼女がバンパイアとして蘇りました、で終わりでもおなかいっぱいなのに、2部でたっぷりと人外×人外のロマンスをやってくれるんだから、もうよだれが止まらん。

 後半はもう、夢のボニー&クライドそのものだ。こんなエロゲをやりたかった。

「愛は罪なもの」なんてド直球に久々に溺れさせてくれたのはパク・チャヌクの演出力にほかならない。すてきなジュブナイルをありがとう、チャヌク。心ときめいたよ。

(評価:★5)

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