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[コメント] 第9地区(2009/米=ニュージーランド)

これ以上ないほど感情移入しにくそうな主人公が最後に見せる男気に泣いた。ただマクガフィンとなるあの物体は何なの?
イリューダ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







母船を起動させるのに地下に隠していた連絡艇を動かす燃料が必要だったってことだろうか。宇宙船の設計思想としてなんか間違ってる気がするし、その燃料を浴びたら地球人が宇宙人になっちゃうってのもよく考えたらかなりご都合主義だ。その症状を見て宇宙人が原因と治療法を瞬時に理解するというのも不可解。そもそもあれだけ大量かつ高性能の武器を所持しているなら、地球人に対するレジスタンスに立ち上がればいいと思うが。好戦的な地球人との対比を鮮明にしたかったのかな?そのわりには結構普通に人間を攻撃してるしなあ…素手でだけど。

またフェイクドキュメンタリーの体裁をとっているが、それほど厳密なものではなく、宇宙人視点の描写もあるし、時系列の混乱もある。映画の最後に宇宙人に殺される悪役の軍人が冒頭でインタビューに答えているが、一体どの時点でこのドキュメンタリーが制作されたのかよくわからない。

と、まあ脚本には弱点の多い映画だったが、それらを補って余りある勢いと熱意を感じさせる作品だった。「もうぶっ殺しちまえよ人間なんて!」と観客に思わせるほどに徹底的に我々の足元を揺さぶってくるその破壊力は、はっきりいって『アバター』なんぞ比較にならないと思う。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)けにろん[*]

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