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[コメント] 捜索者(1956/米)

ジョン・ウェインはアパッチ襲撃系の映画が多いがこの作品はその中でも1番人種差別が強い。
わっこ

**ネタバレ注意**
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インディアンに誘拐された姪を救うため、甥と共に捜索する男の話。ジョン・ウェインの監督作は常にアパッチとの戦いが多いがこの作品では強力な人種差別が伝わる。内容は捜索するという話が主体だが常に緊迫感がありインディアンの血筋入っている為に伯父と素直になれない甥はなかなかリアリティがある。ジョン・ウェイン演じる伯父が実はアパッチに対して強い偏見をもっているのを1番近々に見ている立場なので自分も殺されるのではという不安もある甥のキャラは過去の西部劇にもなかったと思う。ただ捜索する映画なのだがともかくこの2人が中心で甥のフィアンセの女性に手紙を送ったりするシーンもあるが他の人が彼らを心配するシーンが少なく誘拐された少女もオープニング以降はまったくエピソードがないのでもっと回りの人にも視点をあてて欲しかった。特に姪が見つかるまで7年もの時間があったのに姪のエピソードその間全くなく捜索するシーンばっかりというのもさすがにしつこさが感じられた。またインディアンが末っ子の姪は生かして長女の方を殺してしまうという曖昧な行動に出たのも納得がいかない。だったら末っ子の姪も殺されてもおかしくないと思う。また甥のフィアンセが途中で彼を裏切って結婚式をしたりというシーンも緊迫感を壊していてあまり必要に思えなかった。また終盤で生き延びる為にインディアンの振りをしていた姪を伯父が一瞬殺そうとするのだがなぜまた救おうとするのかもわからない。そもそも前半では死体になっても苦しめようとする行動とってまで憎かった筈なのに後半ではその伯父の強い人種差別が全く出てこないのもおかしい。結局のところインディアンに対する強い人種差別が伝わる作品だがそれが前半だけしか描かれなかったのはいただけない。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)おーい粗茶[*] ジャイアント白田[*]

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