[コメント] パーマネント野ばら(2010/日)
映画を見終った人むけのレビューです。
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源氏物語の「雨夜の品定め」は男が女を語るある意味女性論である。男性たる吾輩はやはり興味津々たるものがあった。(でも、女たる紫式部を通しての女性論だが、、) しかし、この映画は逆バージョンである。女性にはなるほどと面白い部分もあるかもしれないが、男性には少々きつい男性論とお見受けした。
パーマ屋を経営する母親の夫宇崎竜童は何を好んでか、昔は美貌だったことを彷彿させる妻と全く対照的な容貌の、どこにでもいそうな女と再婚しようとしている。よほど今の結婚生活が大変だったのだろうと思わせるたたずまいである。
幼馴染の女友達小池栄子の夫はまるでヒモのような存在であり、それでも切れないでいる女心。いい女だが、日本の昔から存在する古い女でもある。
もう一人の女友達池脇千鶴の男運のなさは強烈で漫画チックだが、ようやく結婚した夫も博打にかまけて放浪し山で野垂れ死にする。
そして自分自身菅野美穂は子連れで母親の店で居候しているのだが、高校教師とまあまともそうに見えるお付き合いをしている。しかし、それは、、。
と、まともな男が一人も出てこない。だから男に振り回され、まるで不幸の運命星の下にどうにか生きていく女たちの喘ぎが聞こえてきそうな生活ぶりだが、それは彼女たちの逆エネルギーの源泉でもあるのだ。この映画はそんな女性たちのたくましさをとことん踏み込んで作ってくれた快作である。
でも、やはり見せ方が女中心ですね。男の入り込む隙間がないというか、独断の世界です。最近西原原作ものが多作ですね。何か意味でも、、。
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