[コメント] アウトレイジ(2010/日)
罵倒芸としては『息もできない』に劣るし、暴力連鎖の悲劇性では『ヒーローショー』に劣る。描かれているのは権力闘争ですらなく弱小ヤクザの悲哀でしかない。役者陣の演技と殺しの手口の斬新さに見所はあるが、基本的には魅力を見出しにくい作品である。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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ヤクザは暴力を生業にしているわけで、当然そこに悲劇性が入る余地はないし、北野武監督は別に罵倒芸を見せたいわけでもないだろう。だが、この2作を通過してしまうと、本作の中で描かれている事件は全て他人事、別世界の話であり、感情移入できないものになってしまう。『仁義なき戦い』を観て映画館から出てきた人は主役になりきって出てくるというような話があるが、そういった意味での魅力はほとんど皆無である。
では、本作の魅力はどこか。
それは、「こんな人がこんな役を!?」という意外性一点に尽きる。加瀬亮、三浦友和、北村総一朗のヤクザっぷりや、石橋蓮司がコメディリリーフ的に使われているのは確かに面白い。加瀬の出番は撮影をして行くに従って増えたそうだが、納得である。また、水野(椎名桔平)の殺害方法は僕には斬新で映画的なものになっていたと思う。
だが、いかんせんストーリーが小さくまとまっていて光るものがない。役者が良くてもストーリーに魅力がなければやはりそれなりの物しか出来ない。その意味で残念な作品であった。
(2010.06.12 横浜ブルク13)
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