[コメント] アウトレイジ(2010/日)
カタルシスに向けて溜めるべきものを溜めないまま、すかしっ屁を垂れ流すヤクザコント集。中野英雄ファンは必見。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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これはコントだよなあ? 「バレたら国外退去になります」「死刑だよ、バカヤロウ」とかさ。ラーメンに指が入るとかさ。 それも恐ろしくショボイネタのコント。
北野武は、先に画面(えづら)を思い付いて、後付で話を考えることの多い監督である。 今回も「まず殺し方を考えて、その殺し方を使える設定を考えた」と語っている。 それはそれでいい。 問題は、ネタ作りが著しく衰えている点にあると思う。
顔に布を被せられた死体が道端に転がっている。 その画面が面白いのは分かる。 だが、その殺し方にあまりにも意味が無さすぎる。 殺すなら事故に偽装するか、もっとジリジリ苦しめて殺すか、もしくは殺し自体が何かの(誰かへの)メッセージとして機能するか。 この映画の全てに、こうした“必然性の無さ”が連鎖している。 ぶっちゃけ、話が面白くもなんともない。
老成というより、話を組み立てる体力が衰えているように見えて仕方がない。 最後の三浦友和のダサい偽装とラーメンに指が入るのは、同じレベルの“手垢の付いた”ネタでしかない。 監督・北野武の魅力は粗削りの新鮮さではなかったか。 ベタベタ手垢の付いたネタを再調理できるほど、監督としての引き出しは多くない。
唯一、中野英雄だけが「動機が明確」だったので面白かったな。
(10.06.26 ユナイテッドシネマとしまえんにて鑑賞)
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