[コメント] 偽れる盛装(1951/日)
京の町を背景に芸者として生きる姉(京マチ子)と芸者の息子と婚約しているその妹(藤田泰子)を描いた傑作。吉村監督はこの二人の対比をとことん説明を省略して、観客に訴える事に成功している。どちらの生き方が女として幸せか…
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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ラストではパトロンだった菅井一郎に殺されかけて入院中の姉と結婚のために東京へ駆け落ちする妹の姿がある。
一見、恋する相手と共に東京へ行く妹の方が幸せに見えなくも無いが、実は姉も負けじと幸せに見えたりもする。姉は家族のために体をも犠牲にして芸者をやって来た。幾たびの危機だって、芸者をやっていることで乗り越えてきたのだ。なんだか、ラストの京マチ子の表情を見ていたら、妹をここまで養ってきたのも自分であるという、一種、一家の大黒柱のように自負しているところがあるまいかと思えてきて、妹を送り出す事でまた自ら何よりも幸せなのではなかろうかと感じた。
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