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[コメント] インセプション(2010/米)

まさに映画の醍醐味。こんな映像を考え出せるヤツは普通じゃない。
サイモン64

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







「もしかして自分は、病院のベッドで寝たきりのヤツの夢の中の登場人物では?」なんて空想は誰しも一度や二度すると思うが、この映画ではそれが進んで、自分の夢の中で、他人の夢に入って、さらに別の人の夢に...なんて重層構造になっていて、確かにこんなの体験したら普通の生活になんか戻れないよなと思ってしまう。

ストーリーの発想もいいんだけど、それに加えてこの映画は最初から最後まで、すごい映像のラッシュである。「CGと合成であり得ない映像作りました」というだけじゃなくて、あり得ないストーリー設定に、複雑なオーバーラップがいい。終盤雪山での金庫を巡ってのバトルは、実はホテルの部屋で見ている夢の中で、そのホテルも橋の上からゆっくりと落ちてる車に乗ってる連中が見てる夢の中の存在で、その車も飛行機に乗ってる連中が見てる夢だったりと、頭がグニャグニャになりそうな設定がたまらない。

ぐるぐる回転する車の中で人形みたいに翻弄されてる連中の夢の中ではホテルもぐるぐる回転していて、その中で見張り役が孤軍奮闘戦っちゃうと言うシーンは特に圧巻。これこそまさに映画の醍醐味という感じだ。

ストーリーと映像の重層的で立体的な構造を見事に見せるこの監督はまともじゃない。『ダークナイト』の時でもすごいなと思ったが、今回はドエライ映画を見せられた気分だ。

100点満点で600点くらいあげたい気分。

アクションシーンでは結構会話がくどくどとしつこい感じもあるのだが、話をまとめにかかる終盤5分では、冒頭のシーンに戻ってからラストまで映像のたたみかけ方が素早くミステリアスで、ゆっくり考えるすきを与えない。

ラストも、見る人によってどちらとも取れる作りになっているのがいいと思う。

小ネタとしては、『ユージュアル・サスペクツ』の「コバヤシ」が出ていたり、『バットマン・ビギニング』の「スケアクロウ」が出ていたりと、なかなか懐かしいものがあった。

追記

最後のシーンが夢かどうかなんてどうでもいい。どうしてもどっちかに決めたいヤツが多くてホントにうんざりだ。

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)kazya-f[*] プロキオン14[*]

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