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[コメント] 黄金の腕(1955/米)

オットー・プレミンジャーはどうも生真面目で遊びがなく頭で考えちゃう感じで融通が利かないというのか細かく捉えすぎで流れとしてのメリハリに欠け肩が凝る。フランク・シナトラは熱演だが。
ぐるぐる

エレノア・パーカーはサイレント時代のようなオーバーアクトだし、キム・ノヴァクは大根そのものだが。きれいだけど。

オットー・プレミンジャーの演出は、全体のテーマから帰納的に決定された各シーンをきっちり仕上げて積み上げていく、みたいな感じなんだろうか? 

流れとか、空気感とか、ゆらぎとか、「ふっ」とした感じとか、もしかしたらこの監督は、そういうものが世の中にあるということにすら気が付いてないんじゃないかと思ってしまう。

フランク・シナトラも本格的に俳優業に取り組みはじめた時期で、やる気満点だけどやはり生真面目で、余裕なんて全然ないし。

なので、観ている側として感覚的・感情的に解放される要素が少なく、いかにも「弾けてない」という印象に終始することになる。この監督、嫌いじゃあないんだけど、ちょっと損してる気もする。

この作品は、音楽のエルマー・バーンスタインとタイトル・バックとポスターのデザインのソウル・バスの初期の仕事でもあるけど、さすがに、この後急速に一時代を画すことになる才能の勢いが感じられる。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)けにろん[*]

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