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[コメント] 黒い潮(1954/日)

事件よりも「興味」に焦点を当てた生真面目な映画。
ペペロンチーノ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







実際に起きた「下山事件」をベースに描いていますが、事件の謎に迫ることよりも、事件記者の生態を描いています。 いや、記者を通じて報道の姿勢を描いているのかもしれません。 いやいや、さらに進んで「興味=好奇の目」という“人間の本性”を描いているように思えます。

この映画を見る限り、山村聰は、本作の主人公同様、たいへん“真面目”な人だったと思うのです。いやまあ「必殺仕掛人」とかで役者の姿はさんざん見てるんですが。 そして、“映像”ではなく“役者”を活かすために映画を撮ってたと思うんです。 その結果(かどうか)、人間の描写はとても真摯だと思います。話も面白いしね。 でもねー、映画が“生真面目”なんすよねー。真面目すぎて面白みがない。

余談

ちなみにこの映画、助監督は鈴木清順(まだ清太郎)なんだよ、関係ないけど。 そういや脚本は、熊井啓の『日本の熱い日々 謀殺・下山事件』と同じ菊島隆三だな。

(10.05.23 渋谷シネマヴェーラにて鑑賞)

(評価:★3)

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