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[コメント] デンデラ(2011/日)

従来のサバイバル映画よりも世捨て人にされてしまった年老いた女性たちの生への執念が伝わってくる。
わっこ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







姥捨て山に捨てられた老婆たちのサバイバル映画。

姥捨て山に捨てられた老婆が生きるために決死のサバイバルを繰り広げるという展開が。今までにあまりなかったもので、かなり斬新。

極寒の雪山で食料の確保の問題を抱え、同様に餌が無い中で集落を襲うクマに生死を賭けた闘いに挑む老婆たちのサバイバルはかなり壮絶。従来のサバイバル映画よりも世捨て人にされてしまった年老いた女性たちの生への執念が伝わってくる。

ただ、映画自体は最近、姥捨ての儀式で山に捨てられたカユが集落での人々と触れる内に生へ執着していく姿が描かれるのだが、結局、集落を壊滅させたクマとの因縁の対決みたいなものが無かったのは拍子抜け。

あれだけ煽っていた、姥捨ての儀式で老婆たちを捨てた村人たちへの復讐も果たさずに終わったのも残念なところ。

この作品は一度は風習に従って世捨て人にされた老婆たちが、それでも尚、生き抜くために決死のサバイバルを繰り広げるぐらいの生への執着がテーマだと思うのだが、その割に、生き残った老婆たちが生き残るためならどんなことでもしようという意欲が思ったほど描かれない。

最後は本来なら、集落が壊滅しても別天地を探し、生き残ろうとするカユの前向きな姿で終わらせるか、カユが集落の生き残った老婆たちと村人たちを襲ってでも生き残ろうと、ひたむきにサバイバルを繰り広げる姿で終わらせるべきだと思うのだが・・・。

この辺が原作に忠実な展開なら、このテーマ性の作品だからこそ、出来れば原作とは違った解釈の結末を見てみたかったところ。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)DSCH[*] 水那岐[*]

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