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[コメント] ミラノの奇蹟(1951/伊)

映画が始まってすぐに鍵穴すり抜け移動のカットがあり、この時点でかなり技巧的な映画であることが伺い知れる。確かに特殊効果がバンバン使われる映画で特に後半はぶっ飛んだファンタジーになる。ただ私にはこの映画、前半部だけで良いように思える。デ・シーカとザヴァッティーニは後半羽目を外しすぎたと云えるかも知れない。
ゑぎ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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 前半はスマートなユーモアに溢れており、「頭のいい映画だなぁ」と思いながら見ていた。特に太陽の扱いと水の扱いがいい。太陽の光で暖をとる人々のシーン。夕陽の見物シーン。女の子にコップの水をかけられ思わず「水が好き」と云ってしまったことが伏線になる展開。このヒロインといもいうべき女の子もいい。また、バラックの横を汽車が通るというロケーションがインパクトのある画を与えている。或いは黒人の男と白人の女の恋。この二人の描き方、視線の演出もクレバーだ。お互い肌の色が入れ替わるアイロニー。この後の展開は二人ともがっかりさせずに喜ばすべきだろう。(「賢者の贈り物」のように。)そしてパオロ・ストッパと帽子。「欲しいのは靴と靴下と少しのパン」という歌もいい。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)ぽんしゅう[*]

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