[コメント] BIUTIFUL ビューティフル(2010/メキシコ=スペイン)
不治の病、家庭問題、不法移民ビジネス、死出をサポートする特別な能力…主人公を巡る複数の挿話が並行的に進行し、それぞれが絶望に向かう。バルセロナに中国移民という奇異さ。あの地下室の件りのインパクト。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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次々と繰り出される牽引力ある要素に画面から目が離せなくなってくる。
その目まぐるしさ故か、「何とかなる」ような根拠のない希望をどこか信じつつ眺めているうちに、その希望はラストで静かに打ち砕かれる。救いの無さ。だが、それでも「生」は続いていく。防腐処理された半世紀前の父の遺体に象徴されるように、「生」と「死」の境界は極めて儚い。
手持ちカメラでのアップカット多用(しかもバルデムの濃い顔の)は情感を揺さぶり、オープニングとエンディングの雪山、フクロウの死骸、或いは時折り差し挟まれる天井の蛾のイメージも印象深い。
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