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[コメント] モテキ(2011/日)

2010年代がわからない。近すぎるゆえに20年代の今からはうまく捕捉できない。現代邦画としては破格のミュージカルとそれに対応する森山未來の身体能力が、そのぼんやりを超克する。歌劇が麻生久美子のアニメ声を違和感なく組み込む。
disjunctive

麻生という森山以外の視点が導入され、これを経由して長澤の内面にたどり着ける。段取りがうまいのである。段取りがうますぎるゆえに、わからないものが不明瞭のまま話がすすむことができる。長澤の内面が開示したところで、彼女のわからなさは変わらない。むしろ性格の一貫性が危殆に瀕するばかりで、これ対する森山の執着すらわからなくなる。確実に終わったのだが評価の定まらない2010年代という文明を象徴するように。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)緑雨[*] ぽんしゅう[*]

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