それはさて置き。つまりは、パラレルワールドの話でしたな。

ドラえもんの劇場長編映画『魔界大冒険』（だったかね？）でドラちゃんが割と判り易く解説してくれているのでそちらを参照されたいが、要は「現実世界」というものは単一のものではなく、パラレル（並行的）に複数存在していて、ある一つの「現実世界」で発生している出来事が、他の「現実世界」でも起きているとは限らない、ということ。そして、その「現実世界」同士が何らかの理由で干渉しあったらどうなるのか…？というセンスオブワンダーがそのままこの作品のオチなわけですね。

まあ、意図はよく判るし、制約された舞台の中でよく９０分もたせていると思う。でも…。

二人がキスして、車内に笑顔が溢れて…ここで幕を引いてくれたらどんなに素敵な映画だったことか…。あの瞬間が美しすぎるので、まさにその後のラスト８分は蛇足だったね。

SFサスペンスかと思いきや、質の高いヒューマンドラマでした。