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[コメント] フェア・ゲーム(2010/米)

実話の重みを最大限に生かした秀作。それにしてもナオミ・ワッツはいい女になったなあ。
シーチキン

エンドクレジットで、登場人物の名前のいくつかでセカンドネームが塗りつぶされていた。ひょっとしてそれらは実在するCIA局員の名前なのかもしれない。

そういう実話としての重みが本作に豊かな内容を与えている。見ようによっては、本作は夫婦の危機を乗りこえる家族愛の物語にも見えるし、不当な圧迫に屈することなく戦い抜く男の物語にも見える。

またアメリカによるイラク開戦の欺瞞を暴きその責任を追及するようにも見えるし、メディア操作とその影響の深刻さを描いたようにも見える。

なぜだろうか。現実に起きている出来事は物語よりもはるかに多様で複雑だからだ。

アメリカが都合の悪い情報に目をつむり、しゃにむに開戦へと突き進んでいったことは現実社会に多くの影響を与えている。そのことを改めて思い出させる。

イラク戦争開始から8年がたち、サダム・フセインもヴィン・ラディンもこの世を去った。そしてイラクでは大量破壊兵器は見つからず、今日では開戦の理由そのものが疑問視されている。その今なら、声高にブッシュの開戦演説はでっち上げだと言うことは、そう難しいことではない。

しかし、開戦直後に「この戦争は間違っている」と声を張りあげた人たちがいたからこそ、現実のドラマは、戦争とそれに反対し批判した者たちの勇気によって、豊かな歴史としてつむがれていくのだろう。

そういう複雑な現実を単純化することなく写し取った優れた映画だと思う。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)死ぬまでシネマ[*] KEI[*]

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