[コメント] マルコムX(1992/米)
独裁者スパイク・リーでなければできない独裁的映画。
自分ではあまり意識していませんでしたが、スパイク・リーの映画もデンゼル・ワシントンの映画もそれほど熱心に見ていなかったんですね。この映画はこの二人(だけ)の映画と言っていいし、マーヴィン・ワースの執念が結実した映画ですね。この瞬間でしかこのような映画はできなかったでしょう。素晴らしい作品です。
しかしながら、いまだにケネディとかキングとかの映画は作られても、奥歯にもののはさまったような作品しかできないのがアメリカの現実でもあって、JFKにしてもベトナム戦争ものにしても、地獄の黙示録的な神話抽象論にしなければ表現できない。狂気ですね。
スパイク・リーはこの映画を見る限りとても知的でセンスの良い作家で、抽象表現が続くかとおもえば長回しのカメラで臨場感たっぷりに表現してみたり、メリハリをうまく使える才能ある人ですね。長時間の映画ですが全く飽きることなく見ることができました。
赤の使い方が上手。黒人という人種を表現するのにとてもうまい色を使っている。自分の才能を理解して且つ客観性も高い、素晴らしい才能。感動しました。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (2 人) | [*] |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。