[コメント] ヨーク軍曹(1941/米)
「愛国無罪」
聖書好きの彼の国の人々が何故、好戦的なのかという疑問が一気に解決出来る一品。
前半部で無軌道ぶりを発揮した若者に「神」の存在を知らしめたと思ったら、軍隊に入隊早々に上官達から「神」よりも「愛国心」・・・じゃない、「神」と「愛国心」が相反しない事をじっくり説明される。
まさに「アメリカ的」である。あれだけじっくり説明されれば私だってアメリカ軍に志願したくなるね。人殺しは聖書で禁止している事は明白だが、何か訳分からないが「神」は戦う事を後押ししているらしい。いつも彼等の傍で見守っているらしい。
これなら誰でも後顧の憂い無く戦場へ旅立てる。内容は第一次世界大戦を扱ったものだが、公開は1941年である。あの頃と同じく欧州ではドイツ軍が暴れており、アジアでは日本が中国大陸の深みにはまっていた。
いままさにアノ頃と同じ状況で参戦の機会を窺うアメリカ。国民の参戦への支持が欲しいアメリカ。
本作はどこからどう見ても「国策映画」にしか過ぎない。それも「良心的兵役拒否者」たちを真綿で締める如く兵役へ勧誘していく使命も兼ねた作品である。ゲイリー・クーパーの好演はあったにせよ、内容は悪質だ。否、意図が悪質だ。
単なる「国策映画」。それ以上でもそれ以下でも無い。
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