[コメント] 紳士は金髪〈ブロンド〉がお好き(1953/米)
典型的な50年代ハリウッド元禄映画だけど、それはエスタブリッシュメント=老いの文化であって、そこにはすでに30年代のエクスタシーはない。
ハワード・ホークスもまた老いている。女優がふたり出てくれば、いつも若い方に肩入れするのは相変らずだけど、演出のテンポがマリリン・モンローのスローなセリフ回しを活かせないし、男性のキャラクター造形などどれも中途半端で支離滅裂。やる気がないとしか言いようが無い。マリリン・モンローに強烈な魅力を感じながら、しかし、もう夢中で恋することが出来ないということだろう。
これはハワード・ホークスにとっての「女たらし時代」の終焉であり、この後はひたすらジョン・ウェインに仮託した「老いたヒーロー」を物語ることになる。
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