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[コメント] アメイジング・スパイダーマン(2012/米)

あの、舌がトカゲの舌みたいにチロチロってなるの、いいね。
G31

 舌耕(ぜっこう)という言葉がある。

 舌で耕すと書いて舌耕。

 舌でナニを耕すのか。人の心を耕すのだ・・・という、小沢昭一さんのナレーションで始まる『日本の話芸』という昔のNHKの番組を思い出したが、それはともかく。

   ☆ ☆ ☆

 スパイダーマンと言えば、壁はよじ登るし、空中はブランブランする、ということはみんな知っている。という訳でか、これでもかってぐらいに徹底的にそういうシーン(特に空中ブランブラン)を見せてくれる。だが率直に言い、あまり惹かれない。前のトビー・マクガイア版でもそうだった。前版では、ふと壁の前に立ち、この壁のぼれんじゃない?という感じで、ヒョイと登り出すシーンがあった(っけ?)が、そういうシーンの方がより感激した。つまり、映像技術がこれだけ発達してしまうと、意外性というか、見せ方の工夫の方が重要なんじゃないだろうか。というか、いつの時代もそうか。

 さらに言うと、この空中ブランブラン、間違いなくその表現に映画を作る情熱の大半が傾けられているのは確かだが、映画の映像表現としてはどうなんだろう? 私見では、画面の奥に向かう移動や左右方向の移動は、スピード感や実体感が得やすい。だが上下方向の移動は、映画は不得手。それは、視界を四角く切り取る映画の特性と、目が横に並んでいる人間の特性から、如何ともし難いのではないか。あらためてそんなことを思った。

 話もいまいち。というか、空中ブランブランほか映像表現の「迫力」で観客を惹き付けながら、実は物語を描きたいのがスパイダーマン・シリーズかな?と思いながらマクガイア版は見ていたのだけど、どうでもいい、刺身のつまみたいな話になっちゃった。

 エマ・ストーン(グウェン・ステイシー役)にも一言。『ラブ・アゲイン』のときのように、ほっそりとして聡明な感じの方がよかった。高校生に見せる役作りなのだろうが、丸々とむくんだ感じが残念。

75/100(12/07/14見)

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)けにろん[*]

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