[コメント] 人間狩り(1962/日)
長門裕之の顔パーツはその中心に吸い寄せられるように配置され、自らが自らに陥没する勢いがある。渡辺美佐子はこれを嫌がり、顔を見るとつらいという。長門が事件を放り出し美佐子の尻を追うと伊藤孝雄が勝手にやってくる。陥没が陥没を引き寄せるように。
これが許されるのは、伊藤がやってきたら皆が不幸になるからだ。熱海の北林谷栄のように、焦らし方やすれ違いの作り込みが成功していて、美佐子との痴話という公私混同が選択を迫る状況を設定する。長門の集中線のような顔容も放心すると母性の吸収源となり、美佐子の未練に納得がいく。
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