[コメント] 声をかくす人(2010/米)
この邦題は見当外れだし、思わせぶりな分だけひどいと思う。本作はやや散漫なところはあるが、大の虫を活かすために小の虫を殺すことの是非を骨太に問うものではないの。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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だいたい、母親が無実が無実を主張したのはそれが彼女にとって真実だからであり、また自分の息子も誘拐までは関与していても、暗殺当時はカナダにいるから息子も当然無実だと思っているのではないの。
それを政治的圧力に押しまくられた主人公の弁護士が苦肉の策として、息子が有罪で母親が無罪なんだと主張せざる得ないところへ追いやられただけではないの。
弁護士にしても息子本人のいない裁判で息子に罪を着せるのは本意ではないだろうが、母か息子かどちらかは有罪だという圧力に抗しきれなかった、そういう状況の是非が本作のテーマではないのかなあ。
そういう点で、力の入った演出にはずしっとした重みがあり、今の時代に改めてそのことを声高に叫ぶロバート・レッドフォードの見識はたいしたものだと思う。
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