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[コメント] ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q(2012/日)

いったい何が起きてしまったのか、今何が起きているのか、よく判らないまま、クギ付けになった自分がいる。
プロキオン14

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







映画を観るものは、ひとりワケ判らず困惑するシンジの目線で映画を追うことになる。

誰が味方で、誰が敵なのか?なぜアスカがそこにいるのか?そして14年の間に何があったのか?

ただ、映像はひたすらかっこいい。「ヴィレ」だっけ?なんだかメンバーが数人増えただけで、もう違う映画だし、指揮を執るミサト(43歳!)がその場でどんどんいろんな決断を下すのが爽快だ。あのでっかい「神殺し」も「すっげえ」!

でも、いったいどうしてしまったのかが結局まるで理解できていない。元々ゲンドウが何か計画をしていたのは判ったが、「ネルフとして、エヴァを使い、使徒を倒す」という一つの方向性があったものが、今回はまず「ネルフ」VS「ヴィレ」という2つのグループに分かれたというところは判ったが、なぜ分かれたのかという一番肝心なところは何の説明もない。

そしてどんどんカヲル君を中心に話は進み、難しい言葉がいっぱい出てきて、「使徒」と「エヴァ」の区別も曖昧になってきて、そしてカヲル君はシンジに微笑みながら最期を迎える。

かっこいいよ、ワケ判んないよ、どう判断したらいいんだよ!

判ったのは、「序」も「破」も「旧作」も「TV版」も全部ばっさり切り捨てたこと。内容も、登場人物も。 鈴原サクラという新キャラからトウジの消息が一言も語られなかったことと、ヴィレのメンバーがシンジに向けた「嫌悪」のまなざしから、多くの命が消えていったんだろうなというのは想像できる。 でも加地さんはどうした? MAGI(=赤木ナオコ)はどうした? そして「ゼーレ」はこれでいいんかいな?

もうひとり、「属性てんこもり」のキャラの「マリ」をすっかり、持て余してるぞ。

問題はカヲル君だ。私はパチンコからエヴァに入った類なんだが、以前から思っていたんだが、「新劇場版」も「パチンコ演出」も、カヲル君を出して、思わせぶりな台詞を言わせて微笑ませておけば、みんな満足してくれるんだと勘違いしてないか? 人気キャラなのは判ったけど、そのほんの一片の登場人物である彼に、みな引きずられ過ぎ。 「今度こそ君を・・・」「また君は・・・」というなら「前回」を少しは説明しなさいよ!

不満!というよりは、「判らない」(それが不満なんだけど)映画だ。

そのなかで、アスカがとても成長して、なんとも頼もしい存在なのは嬉しい。 もうひとり、気になったのが「冬月先生」(74歳!) 前作まではゲンドウの「話し相手」としてだけの存在価値しかなかったのが、今回はちょっとだけシンジと話をする場面を与えられている。私のイメージでは旧作までの冬月は、ゲンドウと行動をともにしながらも、違うベクトルで目的を持っていると思ったんだけど、ようやく見せ場をもらえた。できればもっとほしかった。いや、彼が「ヴィレ」の「指令」となり、ゲンドウと対峙してほしかった。 おそらくこのままでは次回作「シン」でも、ゲンドウのお守りで終わってしまいそうだ。

長々と書いたけど、よく判らんわ、やっぱり。でも「破」よりは好きだから4点。

(評価:★4)

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