[コメント] LOOPER ルーパー(2012/米)
ストーリーをまともに噛み砕こうとすると消化不良を起こしてしまいそうだが、この描写は面白い。
この映画で描かれる、2044年のアメリカの街並みが面白い。
この手のSF映画で描かれる近未来の街というと、何百階建てかわからないほどのピカピカな高層ビル群がそびえ立ち、空中の道路を四方八方から空中カーがぎゅんぎゅん飛び回ってる超ハイテク未来像か、もしくは逆に大戦後らしき瓦礫だらけの廃墟の街か、このどちらかというパターンが多い。
が、この作中の街は一味違う。例えばサビだらけで製造後30年くらい経ってそうなボロ車が普通に使われてるとか、壊れてひっくり返った大昔(というか2013年現代に現役だったっぽい)スクールバスを何かに再利用して使ってるっぽいとか、人々が物の運搬にかつての?スーパーマーケットのカートを日常的に利用してるっぽいとか、かつて近代ビルだった建物の外側が落書きだらけで汚れてるとか、そういう「ピークを過ぎてモノの生産を止めたアメリカが陥りそうな、ちょっと荒廃しつつある街」にとてもリアリティがある。そして逆に、広大な畑を持つ田舎は今も昔も未来もさほど風景が変わらない。どちらにしろ極端過ぎない近未来だからこそ、確かに30年後アメリカってこうなってそうだなと素直に思える。上海が美しい大都会になっててアメリカ人が夢を求めて向かうというのもいかにもそれっぽい。
冒頭にこうした街並みの描写(特に壊れたスクールバスは秀逸!)が出て来てワクワクしたのだが、残念ながらそれ以降はあまり多く描かれなかった。この辺りを、小道具を含めて細部までもっと見たかった。
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