[コメント] 地上より永遠に(1953/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
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主役二人の男が女に恋をする。ひと目惚れらしい。激情といってもよい程の激しい恋だ。
ただし、あっという間の出来事だった。男たちはそれぞれの女に「あっという間」に恋をした。
私は何か決定的なエピソードが抜け落ちているのかと勘ぐったが、そうではないらしい。あまりにも不自然にストーリーが展開していく事に違和感が満ちていく。
登場人物たちのキャラクター設定があまりにも薄っぺらなんじゃないだろうか?上映時間の制約からなのか、彼等は皆、複雑な興味深い性格の持ち主のはずなのに、それぞれの決定的な何かしらのエピソードが抜け落ちているが為に、彼等は唐突に恋をし、不倫をし、昇進を拒み、喧嘩をし、脱走をし、そして殺人までして、戒厳令下の中で不審な行動をしたうえで殺される。
「戦争映画」の1エピソードとして男女の愛を描いた1コマだったのなら「それなり」として許せるのだが、本作品は「人間ドラマ・恋愛ドラマ」の中で設定のひとつとして「真珠湾攻撃」を描いているに過ぎない。
バート・ランカスターとモンゴメリー・クリフトという2つの独立した物語を並列して描いた事も、それぞれの人物描写を希薄にさせた原因になるのかも知れない。狂言回し的なフランク・シナトラを絡ませた事もさらに追い討ちをかけた感がする。これでは「真珠湾攻撃前夜を描いたそれぞれの人間模様」という、ただそれだけの作品になっていると感じた。
私の読解力の不足なのかも知れないが、私の大好きな大好きなフレッド・ジンネマンが監督をしているので、とても理解不能なのです。本当にオスカーを8部門も制覇したっていうのが・・・・
PS:やはり私の見方が悪いのだろうな。 (自己嫌悪)。
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