[コメント] 凶悪(2013/日)
どれほどリリー・フランキーやピエール瀧がよく演じたところで山田孝之の足元にも及ばない。それはよいのだが、このようにキャラクタの衝突をフィーチュアした作劇の場合、演技者間とキャラクタ間の力関係の齟齬が映画の輪郭をおぼろにしてしまう。が、それを好ましい余剰として積極的に楽しむ術もある。
あるいは視点不明の長大なフラッシュバックが中盤を覆い尽くすという構成の座り悪さにしても、所謂ウェルメイドとは程遠い。常軌を逸した犯罪という題材が題材でもあり、また役者の頑張りのためもあって、それを肯定的に受け取れるようにも仕上がったのは幸運だ。
いくら実際の出来事に基づいていると云っても「さすがに我が身がこんな事件に巻き込まれるとは思えんよなあ」となってしまいがちなところ、地元感ご近所感に富んだロケ地選定で「身近やん」と思わせるのはよい。
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