[コメント] それでも夜は明ける(2013/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
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まず「自由黒人」という定義から、少々引っかかるものはあった。それ自身は「富める白人」が、分け与えてあげた「施し」に過ぎない。それを手に入れたほんの一部の黒人だけが「自由」を謳歌し、それ以外の黒人は奴隷畜生と変わらない。囚われの身になったソロモンは「自分は自由黒人なんだ、(奴隷黒人じゃないぞ!)」と叫ぶが、このなんというか「特権意識」は、じつはずっと引っかかったまま、映画を見ることになる。
そして登場する3人の白人俳優。成長株のカンバーバッチ、ファスベンダー、そしてブラピ。比較的冷静なカンバーバッチ、どっぷり南部白人なファスベンダー、そしてブラピ・・・、ブラピずるいよ、おいしいところ独り占めで。憎まれ役のファスベンダーと頑張りをみなさいよ、どうせなら「この役をあなたがやりなさい!」と思う。それができないなら、のこのここんなところに顔を出してんじゃないよ!とも。
そして、ソロモンのもとにかつての「友人」が現れ、助かるのだ、ソロモン「だけ」。そのほかの黒人を残して。ラストのパッツィとの抱擁は、実に複雑な構図だ。
12年の長さを感じなかったから、原題より邦題のほうがしっくりくる。『それでも僕だけ夜は明ける』だけど。
これだけ書いて、それでも4点なのは、実際に重たい映画だし、『大統領の執事の涙』では、ほんの数十年前まではこれと変わらない現実が残っていることを考えさせられたから。2本で1セット。あまりこういうことに疎い日本人はどちらも必見の2本だとおもうから。
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